著書の紹介

増補 打ったらハマる パチンコの罠

新装増補版の発行にあたって

 『打ったらハマる パチンコの罠メディアが報じない韓国のパチンコ禁止』(PART2)をお読みになった読者の方から、PRAT1も読みたいが書店で手に入りません、というメールを何通も頂いていた。今回、読者の後押しで増補版が刊行されることになり、正直嬉しい。読者の皆様のご希望があったから、なおさらである。

 相も変わらず、パチンコの事件は絶えることなく続いている。国会議員がどんな綺麗ごとを言っても、アドバイザーという名でパチンコ業界の用心棒を務めているようでは、信用してくれと言うほうに無理がある。

 この国の、末期的な状況がパチンコ問題に凝縮されている。何でも政治のせいにするつもりは毛頭ないが、法律的には現在でも換金が違法なパチンコを、政府も見てみぬ振りを続けているのである。とても、まともな国とは言えない姿がある。

 その違法な業界に、マスコミから政治家、官僚までもがぶら下がっているのである。

 韓国が二〇〇六年にパチンコを禁止したのを、日本では筆者が初めてリポートしたが、日本では何で禁止できないのか……

 政府は、やるほうが悪いで済ませようとしているが、やるほうが悪いで済ませてはいけない。実態は、「依存症」という病気に追い込まれ、やらされているのである。

  二〇〇九年一二月二五日、三十代のパチンコファンのA氏が、名古屋地裁管内のある支部において、パチンコ業界に一石を投じる国家賠償訴訟を起こした。

  訴状には「著しく射幸心をそそる確率変動というパチンコの問題性に対して強い憤りを持ち、自分のような被害者がこれ以上増えないようにという思いをもって本訴訟に及んだ」とある。

  パチンコを禁止できないのならば、被害者の方々がA氏に続いて立ち上がり、国家賠償訴訟を起こす必要がある。現在も、法律的には換金は違法なのだから、損害賠償訴訟を起こして司法の判断を仰ぐべきと思う。

  パチンコによる被害者家族から、サラ金の過払い訴訟のような大きな現象が起きる可能性がある。

 パチンコの被害は、借金だけではなく、「依存症」により心を痛め、時には命まで奪われている。もう我慢の限度を超えている。パチンコによる被害者は立ち上がるべきである。                                  

2010年9月10日
若宮 健

 はじめに

 パチンコ業界は、今や三十兆円業界である。自動車業界が汗水流し働いて、年間四十二兆円。パチンコで浪費される金額がいかに馬鹿でかい金額か、自動車産業と比較すると理解できる。

 筆者は、この国はデタラメ国家だと常日頃から口にしているが、政治が悪いなどと、ありきたりのことを言うつもりはない。パチンコの問題は、もっと根が深い。立法にも、行政にも、メデイアにも責任がある。筆者の知り合いも、パチンコで多重債務者となり、自殺に追いこまれた。筆者が新刊を出すと、必ず書店で買い求めてくれた人のいい男だった。

 もう一人は、首都圏にローンのないマイホームを持ちながら、幸せに暮らしていた。それが「パチンコ依存症」となり、五年で自宅を手放すことになった。両親が残してくれた自宅である。幸いに奥さんがよくできた人で、離婚には至らずに踏みとどまり、今では何とか立ち直りアパート住まいで頑張っている。

 身近の人間にも、パチンコの被害者が二人も出ているから、全国では想像を絶する数になるのではないか。自殺者は、年間三万人を下回ることがない。三万人のうち、「パチンコ依存症」が原因での自殺者がどれぐらいの数字になるか、総務省でも調べてほしいものである。

 本書に登場する人々は、無頼の徒ではなく、ごく普通にまっとうに生きてきた人達である。そのまっとうに生きてきた人が、「パチンコ依存症」となり二千万円以上負けたり、家族で失踪したりしている。負ける人間が悪いと言う人もいる。そう言う人は、パチンコの実態を知らない人である。実態を知っていれば、負ける人間が悪いなどと言えない。

 現在、パチンコは庶民の娯楽として位置づけられている。ちょっと待ってくれと言いたい。十万円も負けるのに、一日かからないのは娯楽ではない。間違いなくギャンブルである。パチンコ屋は、鉄火場なのである。その鉄火場に、女性が半数出入りしている。まともな国家とは言えない。

 分別をわきまえた人間が、「パチンコ依存症」となり、家庭崩壊やら自殺に追い込まれるケースがあとを絶たない。行政はどう考えているのだろうか? はっきり言わせてもらうならば、この国の行政は、常に業者の味方で、間違っても庶民の味方ではない。日本の官僚は常に業界の味方なのである。

 無貯金世帯が二十三%まで増えている。四世帯に一軒が無貯金世帯である。パチンコで消費される三十兆円も大きな原因ではないのか。パチンコで国が壊れているのである。

2006年9月20日

目  次

新装増補版の発行にあたって 2

はじめに 4

プロローグ 13

    パチンコ広告を解禁したメディア 13

    「パチンコ依存症」絡みの犯罪の増大 15

    ギャンブルとして厳しく規制すべき 19

第一章 主婦ギャンブラーの全盛時代 21

     ――家庭を壊してまでハマるパチンコの罠

    友だちの主婦に誘われて 22

    ビキナーズラックが仇に 25

    サラ金に手を出す 28

    ギャンブル化するパチンコ 30

    パチンコの古き良き時代 33

    ギャンブルでカネは残せない 36

    借り入れは一千万 39

    実家に頼み込んで借金 42

    再びパチンコに依存 45

第二章 パチンコにハマるサラリーマン 49

    ――真面目・短気・負けず嫌いがハマる博打

    きっかけは一人息子の死 50

    ハマるのは気が短く負けず嫌い 53

    真面目人間もハマる 57

    仕事の喪失感でハマる 61

    行きつくところはサラ金 64

    頭をかすめる自殺 67

    パチンコはギャンブルだ 70

    裏ロムで遠隔操作 72

    奥さんの病死で目覚める 77

第三章 定年後にハマる男達 81

    ――退職金も家も土地も失う素人ギャンブラー

    ハマる遊び経験のない男 82

    ヒマをもてあます元商社マン 84

    元店長の語るパチンコ業界 86

    元サラリーマンのパチンコ日記 93

    つぎ込んだ二千百万円 97

    「お金よりも失った時が惜しい」 106

第四章 挫折感からハマる大学生 109

    ――有望な若者が学問も時間もドブに捨てる人生

    留年がストレスに 110

    治そうとシャブとドラッグに 112

    新台にはサブリミナル効果 117

    「人体実験」で稼ぐミュージシャン 119

    ホームレスになったタクシードライバー 123

    大学には行かずパチンコ通い 126

    パチンコ屋は鉄火場 133

第五章 ストレスからハマる女性教師 137

    ――パチンコ屋とサラ金の上客にされる公務員

    地方にも広がる依存症 138

    学校でのストレス 139

    ギャンブルにハマるスポーツ選手 143

    公務員はサラ金の上客 145

    依存症に至るプロセス 150

    両親の定期の取り崩し 155

    パチンコ屋のない僻地へ転勤 169

第六章 プロギャンブラーに学ぶ 165

    ――素人は手を出すな! 博打は命がけの勝負

    プロはギャンブルに溺れない 166

    プロの謙虚な男達 169

    プロが教えるギャンブルのコツ 171

    「貴方達は狂っています」 174

    プロギャンブラーは命がけ 177

    『ギャンブル人生論』の実話 180

    パチンコ屋というカジノ 183

第七章 パチンコ依存症は治せるか 187

    ――人も家族も壊れる依存症は病気

    対策が急がれるパチンコ依存症 188

    パチンコ依存症の特徴 190

    ギャンブル依存症の診断 194

    パチンコ依存は病気だ 197

第八章 パチンコ業界と癒着する警察 201

    ――暴力団の縄張りをぶんどった警察の腐敗

    暴走する警察の業界指導 202

    暴対法とCR機の導入 207

    違法行為を隠す「三店方式」 209

    パチンコ業界の厳しい規制を 212

補 章 パチンコを全面禁止せよ 215

     ――政治家・マスコミ・パチンコ業界の癒着を糺す

    政府はパチンコ税の創設を 216

    今こそパチンコの禁止を 218

    パチンコ業界がCMに金を使う訳は 221

    パチンコ禁止を叫ぶ理由 223

    パチンコの問題も餃子中毒も根は同じ 225

    パチンコを禁止した韓国 227

おわりに 230


トップページへの戻りは[戻る]又は×ボタンをクリックしてください。